公的な訓練校で実務能力を身につける
ひきこもり生活が長くなると仕事を通して身に付けることができるキャリアがその間空白となってしまうのでますます社会復帰しづらい状況になります。
いよいよ社会復帰をしないといけないと決心をしても、空白のキャリアのために仕事をどうやって探したらよいのかがわからなかったり、面接で自己アピールをすることができなかったりということもありますね。
そこでこれから仕事を探すなら、その前に職業訓練校を利用するのが便利です。
職業訓練校とは国や都道府県などの自治体が民間の学校への委託もしくは独自の施設として開講している学校のことで、ハローワークを通じて求職者を対象にした実務的訓練を行っています。
職業訓練校の特徴は、実際に求人が多く出されている職種を中心に授業を行っており、そこで身につけた能力をすぐに職探しに使うことができるということです。
仕事に就くために何か勉強をしたいけれどもその勉強が就職に役立つかよくわからないというときにはとりあえずそうした公的機関で推薦されている技能を身につけるというのはよい方法と言えます。
具体的に受けられる訓練とは
職業訓練校の利用は誰でもできるわけではなく、まず現在特定の職についていない求職者であることが前提になります。
まず訓練を受けてから求職したいという人と、先に就職をしてから技能を身につけたいという人とでコースが分かれるようになっており、職業訓練校として学校に通う場合はまず先に訓練をするという方法となっています。
職業訓練校で受けられる授業については各都道府県ごとに異なっており、またその時期の人気コースや求人状況によって受けられるものと受けられないものとが出てきます。
現在実施中の職業訓練についてはハローワークの公式ページから都道府県別に検索をすることができるので、もよりの地域で調べてみるとよいでしょう。
都内を例に取ってみると、職業訓練を行うことができる施設は「都立職業能力開発センター」および民間の学校で、「普通課程」「短期課程」「高齢者向け課程」など分野別にコースを選ぶことができます。
受講料は基本的に無料ですが、テキスト代や研修にかかる実費などは本人負担となることがあります。
有料のコースもあるので、受講前に費用や期間など詳しく問い合わせをしておいてください。
受講しただけではいけないのが現状
ただしこの職業訓練校は専門学校のように卒業と同時に就職先に強いコネを持って推薦してもらえるという種類のものではないので、ただ漫然と受けるだけでは思うような職探しにつなげることはできません。
特に無料で受けることができる短期課程では、事務系や経理といったごく基本的な内容だけで終わってしまうので、それを受講したということが資格取得のような強みとして活かすことはできません。
なのでもし職業訓練校で受講をすることを考えるなら、まず先に自分が今備えているスキル(パソコン操作など)のレベルをしっかりと自己分析し、そこにどういった能力を乗せていけばより就職をしやすいかということを考えて受けるようにした方がよいでしょう。
職業訓練校の中には採用確率の高いところと低いところとがあるので、学校の見極めをしつつそのあとの実績もしっかりと調べてください。