後悔するのではなく前を向いて
ひきこもりの人や過去にひきこもっていた人に話を聞いてみると、ひきこもり中一人でいると「これからどうなるんだろう」というような不安を強く感じることが一度ならずあるといいます。
ひきこもっている期間はまるまるキャリアの空白期になるわけですから、もし経済的に困窮したらそのあとどうやって暮らしていけばいいだろうかとか、扶養してくれる家族がいなくなってしまったら誰を頼ればいいんだろうとか、さまざまな不安が渦巻くように湧き上がってきます。
そしてそんなとき未来のことと同時に湧き上がってくるのが過去への後悔です。
過去の学校生活や会社での自分の行動を振り返って、どうしてあのときこうしなかったんだろう、ああしていれば今はもっと違った状況にいたかもしれないといった昔のことが悪いイメージで何度も浮かんできては苦しい気分にさせられます。
どんな人生を生きてきても後悔を全くしないということは不可能ですが、そのことばかりを気にしていては前に進む気持ちも少なくなっていってしまいます。
これからにどう気持ちを切り替えるか
つらくてつらくてどうしようもないという時には、自分一人だけで抱え込むのではなく誰でもいいので話し相手を見つけてください。
全国にはひきこもり支援を積極的に行っている団体もありますし、そうしたところでは今まで接してきた社会とは全く違ったアプローチから相談を受け付けてくれます。
親や学校、会社にひきこもりのことを話そうとすると「甘えるな」「自分だけが特別だと思うな」「それくらいのこと大人なら自分で解決しろ」といったテンプレートのような解答が返ってくるところですが、今あるひきこもりの支援団体ではそうした解答がされることは一切ありません。
どうして自分はひきこもってしまったのか、また本当はどんなふうに生きたいのかということを包み隠さず話すことで、それまで胸につかえていたものが軽くなるように感じます。
過去の後悔についても黙って胸の中にしまっているとただ循環をしていくだけですが、口に出して吐き出すことで「なんだそんなことで悩んでいたのか」と気持ちを切り替えることができます。
過去を精算して自分に自信をつける
ひきこもりからの脱出が成功できるかどうかの一番の鍵は、これからの自分に何か自信を持つことができるかということです。
自信といっても他の人よりも数段優れた能力がなければいけないというような難しいものではなく、もっと簡単な「このままの自分でも大丈夫なんだ」という受け入れで十分です。
自分はひきこもりだったから社会から落伍してしまっているという劣等感も、新たに自分の自信をみつけていくことで「つらかったことを乗り越えることができた自分」として未来に活かすことができる大切な心の支えにできます。